朝食のサービスが始まり、私は頭の中で自分がオーダーしたいメニューを反復していた。しかし、40日間の研修を終え帰路についているという安堵感も手伝っていたのかも知れない。
私はハム入りのオムレツを注文しようと思い、チーフ・アテンダントのスタンレーさんが来たので気軽るに声を掛けた。すでに彼とは仲良くなっていたので、気持ちは通っていた。
「What would you like to have ?」と聞かれた瞬間、私は「ハムレット」と答えてしまった。全く無意識であったが、その瞬間、スタンレーさんの返答は機転が利いていた。
「オー、シェークスピア!」と言ったのだ。最初の一瞬、私は何を言われているのか分からなかったが、すぐに自分の言い方が間違っていたことと、スタンレーがジョークで返したと理解できた。
この頃から私の中では英語のセンスは十分に輝き始まっていた。今でも英会話で話す自分が大好きである。

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