高学歴で高収入になるほど、子供を生む数が減り、即ちWASPホワイト・アングロサクソン・プロテスタントの数が減り、ヒスパニックや韓国、ベトナムなどを中心にアジア系の人口が相対的に増える、と。すると、選挙にも影響を及ぼす。当時、私が黒人の大統領の可能性を指摘するとマイクも驚き、頷いたものである。そして、それはオバマ大統領の出現で現実のものとなった。
アメリカにおける慰安婦銅像の設置問題などに分かるように、このような民族構成比の変化とアメリカという社会の変化に益々注意が必要な時代が到来したとも言えよう。
年は変わって2014年になった。この記事にあるように2020年と言えば6年後である。それはあっという間の時間軸である。
国民がしっかりとしたビジョンを持たないでいると、いつの間にか悪い方へ舵を取られて、気が付いたら「戦争」なる事態も想像に難くない、そんな気持ちで迎える正月である。
櫻井よしこ氏に聞く(上)「中華思想に凝り固まった中国が動きを活発化」
2014.1.2 07:00 (1/6ページ)[日中関係]
東京で五輪が開催される2020(平成32)年には、日本と世界はどうなっているだろうか−。産経新聞の長期連載「2020年」に合わせ、ジャーナリストの櫻井よしこ氏に聞いた。
−−東京五輪が開催される2020年。世界はどうなっていると思いますか
「世界は様変わりしていると思いますよ。その特徴として戦後の日本の体制を支えてきた価値観がおよそ全て根幹から覆されていると思います。具体的にアメリカが内向きになっているということです。但し、これは必ずしもアメリカの衰退ではありません。よく『アメリカが衰退している』といわれますが、アメリカは十分に力を持っています。2020年のアメリカは、シェールガス革命でエネルギーの需給をほぼ達成できる見通しがついており、世界最大のエネルギー産出国としてエネルギー輸出国になっています。おそらく世界最大の軍事大国でもあり続けているでしょうし、世界最大の教育大国でもあるでしょう。大学にしても、若い世代の知的頭脳人口の流入にしても、技術水準においても、アメリカを凌駕(りょうが)する国はまだ生まれてはいないと思います。彼らが掲げる建国以来の民主主義に取って代わる価値観も生まれてはいないと思います」
「でも、アメリカの人種構成は、いわゆるホワイト・アングロサクソン・プロテスタントが徐々に少数派になって、ヒスパニック、中国系、韓国系や、アフリカ系の人たちが比率として多数を占めるというふうに変化しています。するとアメリカの価値観も変わっていくことでしょう。プロテスタント、キリスト教の一神教と彼らの価値観、『自主独立』『自由』『民主主義』といったものをアメリカは今まで一生懸命に守ろうとしてきて、外に対してもそうした価値観を広げてきました。そのことが「価値観の押しつけ」とも受けとめられてきましたが、良きにつけ悪しきにつけそのようなことがなくなっていくと思います」