2009年10月10日

檻の中へ入る留学生(昨日からの続き

    09 0ct 10.JPG
    身元引受人となってくれたアイリーン

私は収監の日の朝、ステーキ朝食を鱈腹食べてからベーリングハムの拘置所へ向った。約束どおり午前8時に出頭したのだ。

これから24時間、この拘置所で収監されなければならない。飲酒運転の裁判で出た判決による三つのペナルティーの最後の関門だった。50ドルの罰金、20時間の交通セミナー、そしてこの24時間の「拘置所体験入所」というのをクリアすれば免許剥奪は免れることになっていた。

入所体験は先ず身体検査から始まった。と、いうか正確に記すならば単に「服を脱いで着替えた」ということなのだが、こっちとしては何分初体験である。身体検査のように思えた。

看守はすぐにオレンジ色の収監服を持ってきたが、アメリカ人のサイズばかりででかくて着ることができない。私が「でか過ぎる」と文句を言うと苦笑いしながら別の物を持ってきた。それは子供用のオーバーオールだった。

自分の持ち物すべて籠に入れ看守に渡すがタバコだけは離さなかった。中ではやることは無いのだからタバコくらいは持って入りたかった。だが、看守は私のタバコを取り上げ「今日は何曜日だ?ん、売りに来る日だから中で買え!」そう言って私を拘置所の檻に連れて行った。

そこは大部屋だった。40畳ほどの大きさの檻の中には30人くらいいただろうか?恐る恐る中に入ると中では朝食が終わるところだった。片付けが終わると皆、めいめいに寛いでいた。

私は16歳くらいの若い兄ちゃんを見つけ彼の近くに座った。二時間ほどタバコを売りに来るのを待っていたが、いつまで経っても来ない。気が付くとその若い兄ちゃんがタバコを吸っていた。私は彼に声を掛けた。

「今日はタバコを売りに来る日だと聞いたんだが・・・」若い兄ちゃんは「今日は来ないよ」と言い、良かったら俺のを吸えとタバコを差し出した。私はありがたく頂戴した。

「What are you in for ?」(何でぶち込まれたんだい?)と若い兄ちゃんが聞いてきた。私は飲酒運転の経緯を話し始めた。

日が暮れる頃にはすっかりこの兄ちゃんと仲良くなっていた。夜になると看守が点呼にやってきた。

その前にこの兄ちゃんは大部屋の端に自分の寝る場所を作っていたので、私も彼に従って自分の寝る場所を確保していた。

だが、残りの大人数は通路を隔てた所にある8人入りの小さな檻の方へ移動していた。私は正直、この小部屋の檻を見た時にはショックだった。その中へぶち込まれた日にゃ、いよいよ映画のようなレイプが行われるのではないかと心配になったのだ。それは嫌だ。

点呼にやってきた男が私の名前を呼んだ。彼は小さな檻に向って私を探していたのだ。「Yes, sir」私は大きな声で看守に自分の存在を証明した。

「おい、お前はそこじゃない。こっちに入るんだ。」看守はそう言ったが私は反論した。「俺はもう此処に寝る場所を作ってある。明日の8時には出所するんだ。構わんでくれ。」断固として場所を動かなかった。

看守も私が交通違反で「体験入所」ということを知るとそれ以上構わなかった。助かった。絶対絶命のピンチであった。

ろくに眠れず一夜を過ごした。翌朝になると、前日知り合った数人の連中が朝食を一緒に食べようとやってきた。話題は入国拒否にあったポールマッカートニーだった。

収監されていた連中は出所したら連絡を取りたいと私の電話番号を聞いてきた者もいたが、適当にはぐらかした。別に娑婆へ出て連中と付き合いたいとも思っていなかった。

午前7時からが長かった。本当は一時間はあっという間に過ぎ去る訳だった。反して待っている一時間は長かった。

やっと8時になり「これでお勤めは終わりだ。」と思って看守を待っていたが、いつまで経っても出してもらえない。徐々に心配になってきた。「もしかして忘れられたら・・・」9時になっても呼ばれる様子がない。

思い切って看守に声を掛けた。「もう9時を過ぎているぞ。どおしたんだ?」もう少し待てと言った看取が表れたのはその一時間くらい後だった。

やっと10時過ぎに解放された私は拘置所の玄関にあったゴミ箱を思い切り蹴飛ばして出てきた。(足が痛かったのは言うまでもない)

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posted by ラッキー at 11:22| バンコク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | シアトル留学時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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