生活を潤す八幡堀
ブティックホテル経営に終止符を打ち、信長の安土城を訪れる旅に出たことはすでに記した。宇治の平等院を訪ねた後、比叡山から坂本に下り琵琶湖線で近江八幡で一泊する。
滋賀県を周るのは生まれて初めてだった。考えてみると理由は簡単だった。関東に住んでいた私は学校の修学旅行でもガイド時代も含めて全部いきなり京都へ入ってしまうからだった。即ち手前の滋賀県を飛び越してしまっていたのだ。京都にはそれまでに何度も訪れていたが手前である滋賀県には立ち寄らないでいたのだ。
実際に行って見るとそれまでがもったいないように、戦国時代の史跡に埋もれた滋賀県の素晴らしさに気が付かされた旅でもあった。今回の最大のハイライト、城巡りの一大イベント安土城を始め彦根城と長浜城も立ち寄る計画だったが、時間があれば石山本願寺や戦場ヶ原あたりも行ってみたかった。
近江八幡では八幡堀に廻らされた水路が人々の生活を潤していたかが街を散策していてよく判った。旅情たっぷりに風情は私を魅了した。やはり経済の発展と文化の発展の両輪を感じざるをえなかった。朝早くからほうきを持って家の前を掃除をしている人々を見かけると思わず「お早うございます」と声を掛けた。
彦根では近江牛を是非食べたくてガイドブックを頼りに城下町を歩いてみた。城下町と言えばかつて遊郭があっただろうなど想像するだけで歴史時代劇の世界に踏み入れたような気持ちだった。もっともあったのは多くのフィリピンパブだったが。(笑い)
しかし、知らない街での夜遊びは危険も伴う。ぼられることもありがちだ。そこで私は一計を案じた。丁度、これから出かけるぞという地元の人に声を掛けた。どこにどのような店があり、予算はどれくらいかかるか前もって聞いてみたのだ。
「これから俺が行く店は韓国の店だ。良かったら一緒に行くか?」せっかくの誘いだったので応じることにした。店は小さなスナックだった。ママさんと二人いた女の子は韓国からで、予算を言うと「それで結構。安心して楽しんでいってください。」とセットでやってくれた。
旅先でこのように安心して飲めるのは有難かった。店に来ていた客とも話ができ、いろいろ地元のことを教えてもらった。旅は良き先生である。また行ってみたい滋賀県である。
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